9月30日(火) 北海道教区 宗祖親鸞聖人750回御遠忌お待ち受け大会 「婦人のつどい」に出講

開会式 勤行風景 小生の記念講演 モニターまであるのです 交流会 小生の左が総長 フラダンス 女性門徒パワーはすさまじい 「しんらん音頭」では多くの方が踊って楽しんだ。小生はどこにいるかわかりますか?

北海道教区の宗祖親鸞聖人750回御遠忌お待ち受け大会「婦人のつどい」の講師として記念講演を務めた。この「婦人のつどい」は、北海道教区が展開していく御遠忌お待ち受け大会の端緒を開く大会であるだけでなく、北海道教区坊守会連盟が主催し、大谷婦人会北海道連合会が共催する歴史的大会でもあることから、本山より宗務総長、教育部長、組織部長も札幌入りし、道内の6つの別院の輪番も顔を揃えた。会場は札幌パークホテル。参加対象は、坊守、女性寺族、女性門徒であり、800名参加を見込んでいたところ、なんと1080名も集まった。また、終了後の交流会(懇親会)にも700名が参加すると聞いて驚嘆した。東京ではとてもとてもこんなに集まらない・・・。

前日に札幌入りし、打ち合わせを兼ねて、総長、部長、北海道教務所長、北海道教区坊守会連盟会長ら計9名で夕食をした。夕食をしながら色々と話を聞いていると、この大会のための準備に多くの時間をかけ、また今何が問われているかを十分に語り合ってきたことが伝わってきて、こちらも責任の重さを痛感した。

さて、大会の日程であるが、開会式(開会宣言・真宗宗歌斉唱・勤行・宗務総長挨拶・北海道教区坊守会連盟会長挨拶)があり、続いて、記念講演が休憩を挟んで2時間(実際は2時間15分)、御遠忌事業に関する説明(教育部長)、そして閉会式(北海道教務所長挨拶・大会アピール・恩徳讃斉唱)と計4時間におよんだ。会場内に参加者がすべて着座すると、来賓と講師が入場する。総長に続いて小生が入場し、総長と同じように小生にも誘導してくださる坊守会の方がついた。講師を務めたことは沢山あるが、こういうVIP待遇を受けたのは初めてであった。会場内に足を踏み入れると、緊張しつつも自然と気合いが入っていった。

開会式では、小生も壇上に座った。壇上から勤行するのもはじめての経験であったが、何よりも総長や坊守会連盟会長の挨拶を近くで見ることができ、やはり風格というものを感じた。

休憩後、ついに小生の記念講演の時間がやってきた。壇上に上がると、参加者の方々はにこやかな顔でとても好意的に迎えてくれた。こういうことは何よりもうれしいことだ。また、2年半前、定山渓温泉で2泊3日の日程で、大谷婦人会北海道連合会「春の研修会」の講師を務めたことがあるので(その時も300人参加)、この会場の中にも当時の参加者がいるのだなと思うと何か親しみすら感じてきて、リラックスして話すことができた。

講題は「本当に生きるとは、どこで成り立つか —お内仏のある生活の回復—」。講師の依頼を受けたときに、開催趣旨を聞かされていたので、その趣旨内容に合致する講題にしたのだ。開催趣旨の「何をよりどころとし、どう現実に向かい合っていくのか。その問いに真向かいにならざるを得ない場所がお内仏なのです」という言葉の重さを感じたのだ。そのことと、この大会テーマであり、御遠忌テーマである「今、いのちがあなたを生きている」という呼びかけは深く関係している。特に「現実と向かい合って」ということが大切であろう。思い通りにならない現実をどう引き受けていくか、受け入れられない自分を引き受けて立ち上がっていくことは何をよりどころにすることによっておこるのか、これは人生の根本的な課題であろう。そのことがお内仏の生活を通して明らかにしてきたのが真宗門徒の生活実践だったことをあらためて問い直しながら話を進めていった。参加者のうなずきや反応がすごく伝わってくる。単に1080人が集まったということではない。一人ひとりが真剣であることが、この大会の真骨頂であったのだ。

閉会式後、ホテル内で交流会が開かれた。オープニングでは、北海道大谷大学教授の木村雅信先生の指揮とロータス合唱のコーラスで御遠忌テーマソング「いのちがあなたを生きている」などの曲が披露された。役職の方々の祝辞の後、組織部長が乾杯の発声をしたが、乾杯で終わらずに「食前のことば」を唱和し、「いただきます」をもって食事が始められたことも印象に残った。坊守や女性門徒が代わる代わる司会をしたり、アトラクションでは、お待ち受け合唱団による「三帰依・御遠忌テーマソング・イメージソング」、大谷婦人会圓福寺支部による「フラダンス」、婦人のつどい実行委員会による「しんらん音頭」などが披露され、坊守と門徒が一致団結して会を盛り上げているのにただただ圧倒され感動した。小生も門徒さんに押されて「しんらん音頭」で場内を照れながら踊り歩いた。また、サプライズとして、ウクレレが用意され、ウクレレが得意な総長がウクレレを披露するという場面もあった。

明治に入り、北陸を中心とした本州の多くの真宗門徒が開拓で北海道に入ってきた。いわば北海道は真宗の伝統が息づいていて、それが現代でも受け継がれている。そのパワーの源が女性にあったことをはっきりと感じ取った。また、「お待ち受け」とは単なる御遠忌の準備期間ではなく、「お待ち受け」そのものが御遠忌であるということではないか。御遠忌が今、ここに来ている。御遠忌へのあらゆる取り組みが御遠忌そのものであることを、この大会は証明してくれたように感じた。

大役を終え、ゆっくり休息し、翌日の10月1日に帰京した。今月末には、またまた北海道、今度は帯広別院の報恩講である。北海道にはとても親しみを感じてしまう。帯広の皆さん、待っていてくださいね。

〔2008年10月4日公開〕