7月4日(金) 親鸞仏教センター 第2章

新旧事務長が会議であいさつ 長谷岡さん(右) 木曽さん(左) 本多所長(左)と歓談する長谷岡さん 親鸞仏教センター

真宗大谷派は7月が新年度である。だから7月1日に2008年度がスタートしたわけだ。なぜ7月かというと、真宗の基盤が農村にあったため、田植えや稲刈りなどを考慮して7月になったようで、それが今日でも続いている。概ね7月に本山や教務所等の役職が異動し、8月に一般所員が異動をする。しかし、7月新年度では、小学校に入ったばかりの子どもを持つ人たちは大変だと思う。せっかく小学校に入学したのに、たった1学期で転校ということはどうなのであろうか。小生は新年度を4月にすべきだと思うのだが...。現在は農村部だけでなく、都市部にも門徒が多いし、学校に通う子どものことだけを考えても、社会と歩調を合わせて4月にすべきではないか。もっと言えば、既存の門徒さんだけではなく、あらゆる人々を同朋として、親鸞聖人の教えをともに聞いていこうという発想に立つなら、7月を新年度としている意味はほとんど見当たらないように思うのだが...。まあ、宗門も検討しているかもしれないし、愚痴っぽくなるので、このへんにしておこう。

さて、わが親鸞仏教センターも3人の交代があった。そのなかに事務長の交代もあった。 7月1日付で、長谷岡元事務長は大谷大学の事務局長に、そして新事務長には、長崎教務所の所長であった木曽さんが着任した。長谷岡さんの異動を最初に聞いたときは頭が真っ白になった。ついにこの時が来たという感じだった。長谷岡さんは親鸞仏教センターが立ち上がる前の準備期間から関わり続け、今日のセンターの基盤を作ってくださった人である。これで準備期間から関わっているのは、所長である本多弘之先生と小生だけになってしまった。長谷岡さんは栄転とはいえ、小生にとっては大きな柱を失ったようで寂しい気持ちが拭えない。親鸞仏教センターがスタートした時から嘱託研究員として、ずっといっしょに関わり続けている越部君もきっと小生と同じ気持ちでいることだろう。

今日は新旧両事務長の事務引継ぎがあった。 「長く関わることで様々なことが見えてくる反面、ほこりもたまってくる。だから新しい人たちの感性や情熱も大切である。それぞれの良さをぶつけ合いながら、親鸞仏教センターをより発展させてほしい」という長谷岡さんの言葉が身にしみた。木曽新事務長は大変まじめで信頼できる人である。長谷岡さんが表に闘志が現れるタイプなら、木曽さんは内に燃えるタイプといっていいだろう。 「せいいっぱい尽くしていきたい」という少ない言葉のなかに木曽さんの静かな闘志を感じた。長谷岡さんから木曽さんへ魂のバトンタッチがなされた。ここに親鸞仏教センター第2章がスタートした。本多弘之所長を核に、新事務長のもとで、微力ではあるが尽くさせていただこうと気持ちを新たにした。

親鸞仏教センターは2001年7月、現代の諸問題が渦巻く大都市・東京において、現代の諸課題や思想とぶつかり合いながら、時代の苦悩と親鸞聖人の思想の接点を探り、現代に生きる人々に真宗を語りかけるための新しい視点とことばを見いだそうと設立された研究交流の学事施設である。現在、親鸞仏教センターの施設は小さいけれども、さらに実績を積むなかで、近い将来、東京駅に隣接するビルの中にセンターを移し、有識者や学生をはじめ、一般の人々も自由に出入りできる学事施設となっていくことを小生は心待ちしている。

〔2008年7月5日公開〕