「報恩講」厳修
11月7日(土)~8日(日)にかけて一昼夜の報恩講が無事厳修されました。
コロナ禍の為、規模を縮小しての報恩講となり、初日の「報恩講の夕べ」は中止とし、2日目の手作り精進料理は初日と同じようにお持ち帰りのお弁当に変更しての報恩講でした。
大逮夜法要、晨朝法要、日中法要は予定通り厳修されましたが、お勤めはすべて「正信偈・同朋奉讃」の同朋唱和とし、「御文」(大逮夜は「御俗姓御文」)の拝読がありました。三密を避けるため、大逮夜および日中法要(ご満座)の人数は45人を目安とし(大逮夜法要、日中法要ともに46名参詣)、参詣できない方にはZoom配信を行いました。Zoomを視聴したくても見方がわからないご門徒が多かったことは課題として残りましたが、Zoomを視聴した門徒さんの多くの方から、その喜びをメールでいただきました。
玄関では、検温とアルコール消毒を徹底し、受付ではソーシャルディスタンスを取り、お寺内すべて換気を十分いたしました。2日間とも20℃を越える暖かさであったので助かりました。お茶はペットボトルをお渡しいたしました。
大逮夜法要は、蓮光寺住職が「仏法の事は、いそげいそげ」をテーマに法話。晨朝法要では、日野宮久夫総代(法名:釋喜身)と原惠子総代(法名:釋尼惠真)が感話。日中法要(ご満座)では、松井憲一先生が京都よりオンラインで「あれはあれ、それはそれ」をテーマに法話。できるだけ生の感覚を味わうため、短い時間でしたが、質疑の時間も設けました。松井先生のアシスタントとして、牧野豊丸先生のご長男で、東本願寺で勤務されておられる牧野尚史さんにもお手伝いいただきました。
コロナ禍というなかで、今まで経験のしたことのない報恩講でしたが、報恩講を本当に厳修出来るのか不安もあっただけに、今までとはちがった深い感動を多くのご門徒がお持ちになられました。
報恩講は真宗門徒にとって一番大切な法要ということが、心の底から感じ取られた報恩講でした。
その感動は、御礼言上で広島県庄原市よりご挨拶くださった河村和也総代(県立広島大学准教授、法名:釋和誠)の言葉に凝縮されています。河村総代は、毎年、蓮光寺を代表してご挨拶していただいておりますが、東京に戻ることができない悲しみの中で、報恩講のすべてをZoomで視聴され、涙の御礼言上となりました。
報恩講の様子を写真でご案内しながら、最後に御礼言上を掲載いたします。法話等はまた後日掲載いたします。
11月7日(土)
準備の様子




大逮夜法要











11月8日(日)
晨朝法要




準備の様子


日中法要(ご満座)











御礼言上

未知のウイルスによる感染症の拡大に伴う、いわゆるコロナ禍のもと、身体や心、仕事と暮らしに困難や不安を抱えておいでのみなさまに心よりお見舞いを申し上げます。
そのような状況のもとにあって、2020年の報恩講が昨日・本日の一昼夜にわたり厳修されましたことは、わたくしども蓮光寺門徒一同、大きな喜びとするところでございます。
遠く離れた地からではございますが、如来の御尊前、宗祖の御影前に、御満座の結願いたしましたことをご報告するにあたり、ご出仕・ご出講くださいましたみなさまに一言御礼を申し上げます。
ご法中のみなさまにおかれましては、懇ろなるお勤めを賜りまことにありがとうございました。マスクをつけてのご出仕となり、ご苦労も多かったことと存じます。今年は馴染み深い同朋奉讃式による勤行となりましたが、ご一緒させていただきましたことをありがたく存じております。
昨日のお逮夜では、当山住職の法話を聴聞いたしました。コロナ禍のもとであぶり出されるわたしの分別心や傲慢性こそが、意味・条件・価値をつけて生きざるを得ないわたしを解放する機縁となり得るのかも知れないと心得ました。ずいぶんとご法話をうかがってまいりましたが、いよいよわからなくなってきたことが、何やらうれしくてなりませんでした。
本日、晨朝のお勤めではお2人の蓮光寺門徒に感話をいただきました。和やかな空気の中、南無阿弥佛の呼びかけにより賜った信心の世界の永遠であることを確かめたことでございます。
また、満日中の法要では、松井憲一先生に京都よりオンラインでご法話を頂戴いたしました。南無阿弥陀佛のみ教えをいただくことは、真実を受け入れられず夢を追い続けるわたしのあり方から覚めること、愚者であるわたしの身の事実に目覚めることとうかがいました。漫画や川柳に描き出された愚かな人々は、取りも直さず、自分の都合で生きているわたし自身の姿であることに気付かされたことでございます。
さて、今年の報恩講は、ご法話をインターネットを通じて頂戴し、門徒もパソコンやスマートフォンの画面越しに参詣できることとなりました。このことは、わたくしのように遠く離れて暮らす者ばかりではなく、お歳をお召しの方、あるいは病の床に伏していらっしゃる方にも、一筋の光を射し得たものと思います。もとより、ともどもに相集い聴聞することが叶えば、これに勝るものはありません。わたくし自身、亀有から西へおよそ780km、備後門徒の地・広島県庄原市におり、お寺におまいりすることのできぬ現状を嘆き憂う者のひとりでございます。
「真宗中興の祖」とされる蓮如上人は、布教・教化のために御文という画期的な手段を生み出しました。揺れ動く時代の中にあって、わたくしたちもまたさまざまの方法を模索していく必要があるのかも知れません。しかし、それはあくまでもみ教えを伝え広めるためのものでなければならないと考えております。
困難な状況のもとにあっても、寺のあるべき姿を見据え、住職、坊守を先頭に、蓮光寺門徒一同、今後とも念仏三昧・聞法精進の道を歩んでまいりたく存じます。
ご出仕・ご出講のみなさま方には、変わらぬご指導とご鞭撻をたまわりたく、伏してお願い申し上げる次第でございます。
2020年の蓮光寺報恩講のご満座結願にあたり、重ねて御礼を申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。このたびはまことにありがとうございました。
(2020年11月8日)
☆昨年の報恩講





来年は従来の報恩講が勤まることを心から念じております。