宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌関連ニュース

2010年3月27日掲載

三重教区「真宗門徒女性の集い」に住職が出講(2010.3.10、11)

テーマ: 「今、いのちがあなたを生きている ─浄土を真のよりどころとして生きる─」
タイトル: 呼応

3月10日(水)と11日(木)の2日にわたり、三重教区坊守会による「真宗門徒女性の集い」が開催されました。

10日は桑名別院、翌11日は高田派本山の高田青少年会館を会場に、合わせて300名近い寺族と門徒女性の方々が参加し、両日、講師の本多雅人氏(東京教区蓮光寺住職)から御遠忌テーマ「今、いのちがあなたを生きている」についてのお話に加えて、教区の合唱団「ひかり」の団員の指揮による御遠忌ソングの合唱など、坊守スタッフの趣向が盛り込まれた集いとなりました。

講義では「御遠忌テーマにどのように応答されていますか」と問題が提起されました。

本多氏は、「「浄土を真のよりどころとして生きる」をサブテーマとして提出したのは、皆さん(主催者・参加者)が「真宗門徒女性の集い」に集う「真宗門徒」を名のっておられるからです」といわれました。

そして「浄土を真のよりどころとして生きる生徒」のことを「(浄土)真宗門徒」とおさえられたうえで、はたして私たちは本当に浄土をよりどころとしているか、ということを問いかけられました。

自分の思いどおりになることが「幸せ」として生きている現代人にとっての救いは、困ったことが解決することでしかありません。しかし、現実は解決しない問題が多いわけです。私たちは老病死の身、病む身、老いる身、死すべき身を生きています。だから思い通りになることが幸せならば、それに立脚した希望は必ず「絶望」になってしまいます。その思いにふりまわされている世界は六道という穢土ですが、その人間の思いを破り、どんな状況であっても、無条件にこの私の存在が尊いと、我が身を引き受けていく世界が「浄土」だと表現されました。それは思いがひるがえってみれば、人間誰もが心の奥底で願っていることであるから、人間の本当の願いを呼び覚ます本願がはたらく世界が浄土であると言われました。現代はその浄土を見失ってしまったが、いつの時代においても人間の苦悩に、常に本願が寄り添ってきた本願展開の歴史に参画してみれば、現代の私たち誰もが本願がはたらく浄土を求めている時代であり、存在であるといわれました。

また、「今、いのちがあなたを生きている」という御遠忌テーマは、真宗門徒にしかわからない言葉を用いずに、すべての人に呼びかけられています。このテーマに対して三重教区は「共に、大地に立たん」と応じていますが、それは本願が呼びかけている苦悩の大地に立つという宣言ですし、真宗門徒だけでなく、あらゆる人びとに「いっしょに苦悩の大地に立とうよ!」という呼びかけでもありましょう、と教区のテーマにも応答されました。

私たち一人ひとりに問いかけている御遠忌テーマに対して、私はどう応答していくか。このことが御遠忌を迎える真宗門徒に呼びかけられている願いであり、課せられた責任ではないかと感じました。

(三重教区通信員 米澤典之)

※ 詳しくは「御遠忌テーマに関する研修会等の開催レポート」(「しんらんしょうにんホームページ」内)をどうぞ。

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