あなかしこ 第68号

門徒随想

2019年の春、ご住職から、5月11日からの蓮光寺旅行会は本山の奉仕団とのご案内をいただいた。カミさんにOKをもらい、参加でお返事した。

一方、翌5月12日には長崎の実家のお寺で行われる宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要に参列するため、翌朝には同朋会館を出発してとんぼ帰りする日程での参加となった。

当日、早朝に家を出て、特急かもめから博多で新幹線に乗り換えた。車窓からは、大きな川、広がる都市や田園地帯、様々な建物が見え、社会がつながり支えられていることを思った。11時ごろ京都に到着。2016年11月の報恩講以来2年半ぶりに、蓮光寺の皆さんと再会することができた。

新装された同朋会館での結成式では、正信偈を読みながら、はじめて蓮光寺にお世話になったのは20年前のちょうど今頃だったことが思い出された。その半年後、本山での帰敬式を経て、当時の同朋会館での座談会に至るまでのことがよみがえり、「煩悩障眼雖不見 大悲無倦常照我」のところで、ふっと目頭が熱くなった。

昼食後、阿弥陀堂や御影堂の両堂参拝などを行い、久留米教区の松濤教導さんよりご講義をいただいた。両堂とお浄土との関わり、お浄土とは、お念仏申す方の所に開かれ、生まれてきた意義を喜べる世界、といったお話であった。続いて、小松教区の安本補導さんから、お内仏のお給仕についてご講義をいただいた。

夕食後の座談会は、ご講義を受けて行われた。一人の方が、生きる意義とは人生のステージで変わっていくのでは、と問題提起された。これを軸に、皆さんが様々な視点で熱心に意見を述べられた。皆さんの意見は興味深く素晴らしいもので、あっという間に時が過ぎ、もっと聞いていたかった。

座談会終了後、茶話会の前にはDさんUさんと3人で少しだけ冒険することもでき、いい思い出となった。茶話会は、皆さんと共に、楽しく有り難い時間を過ごすことができた。

翌朝、晨朝参拝、朝食の後、せっかく本山奉仕団にきたのに、清掃奉仕をせずに帰る時間となった。名残惜しくも皆さんとお別れして、長崎への帰路についた。これからも機会があれば、ぜひ参加させていただければと思う。

橋口茂 (釋草純 サラリーマン 55歳)
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