あなかしこ 第65号

あとがき

蓮光寺の寺報(情報誌)である『ふれあい』には、ご門徒のお宅のお内仏を写真とともに紹介する欄があった。今回の編集後記は、出版物の垣根を越えてその番外編としたい。▽単身赴任の宿舎にはお内仏がなく、どうにも落ち着かぬまま1年を過ごした。6月のお寺の旅行の際、京都に前泊することになったのをよいご縁と思い、本山の参拝接待所を訪ねて「額装御本尊」を受けることにした。▽旅行から帰り、さっそく小さなたんすの上に安置する。高さ20センチ・幅10センチほどの大きさだが、阿弥陀様の御絵像が木製の額に納められており、まことに立派なものである。▽真宗門徒は、箱型の仏壇が主流になるずっと前から床の間にご本尊を掛けてお給仕してきたのだという。お念仏を拠りどころとする生き方が現代に展開されたとき、お内仏はこのようなかたちをも取り得るのだろう。(わ)

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