あなかしこ 「門徒倶楽部」機関紙

門徒随想

人間関係に悩みはつきものです。何かに属して生活していると、さまざまな価値観を持つ人たちと接することになります。そんな中で折り合いをつけるのは、時として大変なこともあります。

知り合いのAさんは、忙しくなると人に対してとても横柄な態度をとります。感情がすぐに態度に出てしまう、とてもわかりやすいタイプです。気が小さいが故に虚勢を張り、自分を守るかのように他人に攻撃的になってしまいます。そんな困ったAさんに親身になって助言をする人もいますが、何年経っても同じことを繰り返しているなと感じてしまいます。

一方で既に何年も前から知っているAさんに対して、今も変わらず不満を言っている私がいます。そんな自分もまた変わることのできない存在であることに気が付きます。おそらく自分が嫌だなと感じている、私のイヤな部分を、その人の中に発見してしまうのでしょう。相手を通じて、それを目の当たりにして苛立ちを覚えるのです。

自分はこうなりたい、こうすればもっと心が楽になって物事が上手く行くのでは、などと思っていても実際に変わることは容易ではありません。どんな場面に直面しても、あるがままの自分を認めて自身を受け入れることができれば、もう少し自信を持って前に進むことができるのだろうか。そんなことを考えながら、聞法を重ねることを大事にして行こうと思います。

美月

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