あなかしこ 「門徒倶楽部」機関紙

あとがき

9月18日、スコットランド独立をめぐる住民投票が行われた。世論調査で独立賛成が反対を上回ったことから、イギリス分裂か?と、世界中が注目した。結果は、独立反対が過半数を占め、スコットランドはイギリスに留まった。独立後の経済的不安がやはり独立反対の大きな要因だったようだ。▼ただ個人的には残念である。無血革命の伝統を持つイギリスで、またも民主的に革命が達成されれば世界に大きな影響を与えたはずだ。まず武力で一方的に主権を主張する国々のあり方が強く問われるだろう。そして憲法第9条を持つ日本人も自信を持つことが出来たのではないか。せっかく平和憲法を持ちながら、集団的自衛権の行使を閣議決定し、ついに戦争ができる国になってしまった日本は恥ずかしいかぎりだ。もう一点、グローバル化進行への足止めにもなる。グローバル化は、世界の人々が国境を超えて緊密に結びつくことと言えば聞こえがいいが、地球規模の大きな波に飲み込まれ地域の良さとか生活そのものが軽視され、人間の顔が見えなくなっていく。人間を見つめる眼を失った現代、それを回復していくひとつの動きとしてスコットランドの住民投票を捉えるという見方もあっていいと思う。

(M)

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